地震に強いお墓づくり
近年、大きな地震が多数発生しております。
墓石には、住宅の様な国が定める建築基準の法律がありません。裏を返せば、墓石の耐震度は、設計業者・施工業者の考え方や仕事に対する思いに大きく左右されてしまいます。
お墓がある環境 ~地盤について~
お墓がある場所は、盛土や埋立地、更には沼地・湿地帯・田んぼに囲まれた場所など軟弱地盤が予想されます。お墓の重さは基礎まで含めると2t~15tあり、住宅等とくらべ、1平方メートル当たりの重量が非常に重く不同沈下を発生しやすい建築物です。また、石塔(○○家の墓)が載る部分が極端に重く、同じ敷地内でも倍以上の重量物が載ることになります。昔は土葬で埋葬していたため、かご桶の容積分が後から沈下するなど、どの状況を見ても不安要素が沢山あります。
福島県は、凍害を考慮しなければならない地域でもあり、水分が含んだ土地では地震発生時に液状化現象を発生するリスクもあります。
関根石材店では、お墓を建てる場所の地名や地形更には、お寺の名前に見る軟弱地盤度を考察します。次に建碑予定地周辺環境から考察を実施、①盛土か切り土か?②周囲に湿地帯がないか?(低湿地性植物が生えて③近くに山がある場合、地下に水の流れ道が無いか?
環境観察 | 地盤のリスク | その他 |
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低湿帯性・砂丘植物が生息 | 軟弱地盤 | 液状化の危険性あり |
窪地・三角州・谷地 湿地 | 軟弱地盤 | 液状化の危険性あり |
背の高い樹木 | ほぼ良好な地盤 | 樹木の支持力がある |
自然に出来た堤防 | ほぼ良好な地盤 | 水はけが良い 地盤が固い |
扇状地・大地・丘・洪積段丘 | 良好な地盤 | 砂礫・玉石が主 |
地盤改良の重要性
地盤によって基礎の工法と土壌改良方法を選択する。
墓石業界においては、地盤や基礎工事よりも、墓石や外柵などの上物の耐震施工を重要視する傾向があります。見た目重視で安価な石材を使用し、利益を確保する方向性があるのが現状です。
不同沈下や地震で倒壊してしまった墓石を修復、建て直しを行うと地盤改良の2倍~3倍の費用が発生する。また、墓石が倒壊して石がカケテしまうと5倍~10倍の費用が発生する事になります。
不同沈下は墓石建碑から3年の間に急激に進行し、5年経つとほぼ落ち着いてくる。
原因は地耐力不足、墓石の自重に対して支持力が足りないと発生する。
建築物に影響するのは、5mまで
造成地は設計が難しい
近くに田んぼ・水路、沼、池があれば、水の影響を受ける。また、周囲に山があれば、水溜りにむけて地下の水路がある可能性があり、軟弱地盤の可能性が高い。
切り土の問題点:
自然にある斜めの地盤を切り取ると、2種類の異なる地質が現れる、表土近くの柔らかい土と内部の締まった地質、違う地質にまたがってお墓をつくると柔らかい土の方に傾いてします。
盛土の問題点:
業者によって盛り土に使用する材料が異なる上に、きちんと圧力を加えながら盛り土する会社と簡易施工を行う業者があります。墓地の場合、きちんとやらないケースが多く軟弱地盤となるため 谷側(下側)と山側(上側)の盛り土高さの差から谷側に傾いて行くことになります。また、地震のときには、
自然地盤で地耐力がなければ一方向に傾く、造成地盤の場合極端に傾く、
一番問題なことは、墓地造成後は何処までが自然地盤でどこからが造成を行ったか見た感じでは判断することができないため、地盤調査が必要になってくる。
タイプ別不同沈下の種類
① 外的要因の不同沈下
周囲の環境変化による問題 :近くに道路があり、常に振動している。地下水の
② 内的要因の不同沈下
地盤そのものに問題
同じ敷地内に固い地盤と柔らかい地盤がある場合、15cm以上の深さがあるベタ基礎の場合ダブル配筋を行う。
おかげさまで
創業88周年